2023/11/08

GA4のイベントとは?種類と設定方法を解説

GA4で必要なデータを計測するためには、イベントの理解と適切な設定が欠かせません。本記事では、GA4に欠かせない「イベント」の定義や種類、設定方法についてわかりやすく解説します。

GA4のイベントとは      

GA4の「イベント」とは、サイト上にアクセスしたユーザーの全ての行動(アクション)を指します。UAでは「ページビュー」「コンバージョン」など予めデータの種類で指標が分類されていましたが、GA4ではこれら全てがイベントとして集計され、「ページビュー(GA4では表示回数)」「コンバージョン」などもイベントの一種として集計されます。

イベントの種類(自動収集/推奨/カスタム)

イベントの種類は次の3つです。

  • 自動収集イベント
  • 推奨イベント
  • カスタムイベント

イベントごとに計測のための設定方法が異なるため、注意が必要です。

自動収集イベント

自動収集イベントには「自動収集」と「拡張計測機能」の2種類があります。

「自動収集」は、ユーザーの設定が不要で、最初から自動的に計測されます。設定の手間はありませんが、計測を停止することもできません。

自動収集イベントの主な例は次の通りです。

  • first_visit:ユーザーがサイトに初めて訪問した
  • session_start:ユーザーがサイトの閲覧を開始した
  • user_engagement:1秒以上ページを閲覧したユーザーが離脱した

拡張計測機能は、GA4の管理画面でオプションを有効にすることで計測が始まります。オプションを有効にするだけなので、設定は簡単です。また、不要であれば計測を停止できます。

拡張計測機能の主な例は次の通りです。

  • page_view:サイトの閲覧
  • scroll:スクロール(最下部まで)
  • video_start:動画の再生を開始
  • click:現在のドメインから離脱するリンクのクリック

推奨イベント

推奨イベントはGA4が計測を推奨しているもので、業種ごとに異なります。計測するためには設定が必要です。

業種ごとに主な例を見ていきましょう。

全ての業種

  • login:ログインした時
  • share:コンテンツをシェアした時
  • search:検索した時

オンライン販売

  • purchase:購入手続き完了時
  • add_to_cart:カートに商品を追加した時
  • view_item:商品を閲覧した時

ゲーム 

  • level_start:新しいゲームを始めた時
  • unlock_achievement:実績を達成した時
  • earn_virtual_currency:仮想通貨を獲得した時

カスタムイベント

これまで紹介したイベント以外のデータを計測したい場合は、ユーザーが自由に設定できます。これを「カスタムイベント」と言います。最も利用頻度が高いイベントであり、GTMを用いて設定することがおすすめです。設定方法については後述します。

自動収集イベントの設定方法

「自動収集」と「拡張計測機能」で設定方法が異なります。

自動収集イベント

自動収集イベントは言葉の通り、自動でデータ収集を行うため設定の必要はありません。

拡張計測機能

拡張計測機能は、設定が必要です。

1.「管理」>「プロパティ」>「データストリーム」を選択します。

拡張計測機能の手順1

2.「データストリーム(Web)」を選択し、「ウェブストリームの詳細」画面を開きます。

「拡張計測機能」で「測定中」と出ている項目は、現在計測中のイベントです。画面右の歯車マークをクリックすると、拡張計測機能の画面が開きます。

拡張計測機能の手順2

3.「拡張計測機能」の画面で収集したい項目を選択する。不要なイベントについては、トグルボタンを押して、計測をオフにします。

拡張計測機能の手順3

サイト内検索の設定はこの画面で行います。詳細は以下の記事をご覧ください。

【関連記事】GA4のサイト内検索レポート作成方法(探索とLooker Studio)

推奨イベント・カスタムイベントの設定方法   (GTM)

推奨イベント・カスタムイベントはGA4またはGTMで設定できます。

GA4のイベント設定は、GTMで作成した方が、広告のCV設定に利用できたり、イベントのON/OFF設定が簡単に設定できたりと色々と融通が利くので、本記事ではGTMでのイベント作成方法を解説します。

管理上も、全てのイベントをGTMでまとめておいた方が管理しやすいです。

トリガーの設定方法

1.GTMで「ワークスペース」>「トリガー」>「新規」をクリックします。

トリガーとは、イベントを発火させる条件のことです。

トリガーの設定方法1

2.「トリガーの設定」の右側に鉛筆マークが表示されるのでクリックし、「トリガーのタイプ」を選択します。

トリガーの設定方法2

3.条件を設定します。

例えば「スクロール距離」を設定したい場合は、「スクロール距離の割合」を設定し、「トリガーの発生場所」を選択、名前をつけて保存します。

トリガーの設定方法3

タグの設定方法

1.「ワークスペース」>「タグ」>「新規」をクリックします。

ここではGA4のイベントタグを作成し、このイベントを発火させるためのトリガーをセットします。

タグの設定方法1

2.右上の鉛筆マークをクリックし、「Googleアナリティクス」>「GA4イベント」を選択します。

タグの設定方法2

3.「タグの設定」で、GA4アカウントの測定IDを入力し、イベント名を入力します。その後、事前に作成したトリガーをセットしてください。

タグの名前はわかりやすいものにしておきましょう。筆者の場合は、設定タグを「GA4」、イベントタグを「GA4_event_●●」にしています。

タグの設定方法3

GTMの設定方法についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

【関連記事】GA4の初期設定を実際にやったステップで解説(これだけ見れば大丈夫!)

これでイベント設定は完了です。

設定後すぐに計測が始まるわけではありません。設定の反映まで24時間程度かかるため、翌日以降に確認してみましょう。

カスタム定義の設定

先ほどまでの設定でイベント取得が可能になります。しかし、イベントの中には、GA4でカスタムディメンションやカスタム指標を設定しなければ、イベントに紐づくイベントパラメータが取得できないものがあります。

例えば、探索レポートにおける「page_url」や「page_title」がこれにあたります。

【関連記事】GA4ユーザー エクスプローラでページURL・タイトルを表示する方法

カスタムディメンションで分析軸、カスタム指標で分析する数値を登録します。

カスタムディメンションの設定方法

1.「管理」>「カスタム定義」内の「カスタムディメンションを作成」を選択します。

カスタムディメンションの設定方法1

2.「新しいカスタムディメンション」>「ディメンション名」「イベントパラメータ」を入力し、保存します。

カスタムディメンションの設定方法2

カスタムディメンションを設定すると「サイト内検索キーワード」「ページURL」など、さまざまな計測が可能になります。筆者が設定している主なカスタムディメンションを紹介しますので、参考にしてください(これだけ登録しておけば、とりあえず大丈夫)。

  • search_term:検索キーワード
  • page_location:URLを取得
  • page_title:タイトルを取得
  • page_referrer:対象となるページの1つ前のページを取得

カスタム指標の設定方法

1.「管理」>「カスタム定義」>「カスタム指標」を選択し、「カスタム指標を作成」をクリックします。

カスタム指標の設定方法1

2.「新しいカスタム指標」>「指標名」「イベントパラメータ」を入力し、保存します。

カスタム指標の設定方法2

まとめ

GA4のイベントとはユーザーのアクションを意味します。

設定不要ですぐに利用できる「自動収集イベント」、簡単に設定できる「拡張計測機能イベント」、GA4またはGTMで設定が必要な「推奨イベント」「カスタムイベント」が存在します。

自動収集イベント以外は、設定しなければ計測できません。設定以前のデータを遡って計測することはできないため、早めの設定をおすすめします。

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